中学社会科 ICT実践事例集! 先生は楽に、生徒は楽しく。

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中学教師
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こんにちわ。田舎住まいの30代教師です。

・一人一台タブレットがあるけれど、なかなか使う機会がない。
・普段使っているけれど、どんな活用方法があるか更に知りたい。

という方はぜひ見ていってください!

私もまだまだ勉強中の身ですが、中学校に赴任してから2年間でそれなりに使ってきたので、いくつかご紹介したいと思います。

調べ学習、意見をまとめる時、発表するとき、様々な場面で活用することのできるICT機器(タブレット)。

「先生、今日の授業はPC使いますか~?」ってよく教室に入ると聞かれます(笑)

「えっ、使わないよ?」といった際の生徒の残念そうな顔といったら(笑)

私自身、どこまで有効に活用できているか分かりませんが、1つでも参考になって明日の授業で使っていただければ幸いです。

ぜひ利用して頂きたい機能の1つ目は「 Google Jamboard ジャムボード 」です。

「ジャムボード」は、一般のホワイトボードのように、同じボードを参加者と共有することができます。

かつ互いの操作がリアルタイムで反映されるので、意見交流に最適です。

操作方法も直感的に分かりやすいため、生徒もすぐに使いこなすようになります。

いくつか実際の使用方法を紹介します。

歴史 第5章 開国と近代日本のあゆみ

「富国強兵と文明開化」

「明治時代の錦絵から文明開化の様子をとらえよう。」

江戸時代と明治時代の町の様子を比較することで、その特徴と変化をつかみます。

江戸時代の街並み

明治時代の街並み

両方の街並みを「人」「服装」「髪型」「家」「道路」「町の様子」「使っているもの」様々な視点から探っています。

ジャムボードを用いることで、全体での交流よりも多くの意見を拾えます。なかなか意見を発言できない生徒もいますから。

手を挙げて発言することが苦手な生徒にとっても授業に参加するハードルが下がるのもICTの魅力です。

歴史 第2章 第1節 世界の古代文明と宗教のおこり 「ジクソー学習に」

グループ内、もしくは調べたい内容をいくつかに分けて、それぞれ1つずつ調べ、共有します。

4人で調べ、教え合う場合、「仏教」「キリスト教」「イスラム教」「ヒンドゥー教」でそれぞれ役割分担し、調べる時間、まとめる時間、教え合う時間を作ります。

インプット、アウトプットが両方できるので学び合いには最適だと思っています。

出来る限り、教師の伝えたいポイントが教え合いに含まれるように、調べる観点を「どのような特色がある宗教か」「開祖はだれか」「どのようなきまりがあるか」「聖地は」など絞って始めます。

役割があることで、生徒がいきいきと授業に取り組めるのは良いポイントですよね✨

歴史 第3章 第2節 室町文化とその広がり

グループで教科書や資料集を参考にしながらまとめていきます。「狂言」「能」「金閣「銀閣」教科書では文字だけの内容も、写真でイメージできるのが良い点だと思います。

ただ、押さえるべき内容はきちっと押さえなければいけないので、まとめが終わった後、プリントで内容を押さえます。

楽しみつつ、覚えることは覚える。が大事な点だと思っています☺

歴史 第4章 近世の日本 

導入の活動「近世の人々の様子をとらえよう」

画像だけ適当に配置し、グループに配ります。

小学校で習った知識をもとに、画像の順番を(活躍した順番)で並べ替えて、その出来事を振り返ります。

過去の学習を思い出し、最近の入試では「出来事の並べ替え問題」も良く出るので、年表を確認しながら今後の学習の見通しを持ちます。

地理 第1遍 世界と日本の姿 オリエンテーション

「世界の国・日本の都道府県クイズを作ろう」

枠だけ教師が用意して、クイズは生徒が考えます。

地理の一番初めの単元なので、1年生の生徒はキャッキャ喜んで作ってくれます☺

地理 第2章 日本の地域的特色と地域区分 

導入の活動「日本がどのような国かイメージしよう」

日本はどのような特色をもった国かグループで付箋に書きだします。

その上で、「食」「季節」「文化」「歴史」視点によって色を分けることでイメージをより明確にします。

仲間の意見から更に思いついた内容を書きこんでいけるので、意見が深まりますよね。

1人ではできないことが、みんなでできるのもICTの良さです✨

地理 第二章 日本の地域的特色と地域区分 

「交通・通信から見た日本の特色」

「酔う」(笑) たしかに!

交通の手段がどのように使い分けられているか、メリットとデメリットを書きだしています。

普段の生活体験やニュースなどをもとに書きだせるのも良いですね。

こういった、「たくさんの意見」を引き出したいとき、挙手発表やつぶやきよりもより意見を全体に反映できると考えています。

※ジャムボードは残念なことに2024年12月をもってサービスを終了します。それまでに使っていただくか、他の媒体でもアイディアの1つとして使ってもらえれば幸いです。

私はよく単元の導入のイメージ調査で使っています。

フォームのアンケートは使ったことのある人は分かると思いますが、すごーく簡単に作成できるのでぜひ実践してみてください。

第3章 日本の諸地域 第3節「近畿地方」

生徒全員の「近畿地方」に関するイメージをアンケートしてから授業に入ります。

このように生徒のもっているイメージを実態として捉えながら授業をすると、「それは知ってるんだ!」とか「そこは知らないのか・・・」といった自分のイメージと比較できます。

最初の単元の導入の10分ほどですが、皆で意見を共有できるので明るくスタートできます。

また、コメントで「自分がこの単元で調べたいこと」を聞くと、より子供たちの「学びたい」に合わせて授業が展開できます。

「産業について知りたい」「有名な場所について」「観光スポットについて」「特産品って何だろう」意外と生徒たちは素直に自分の意見を書いてくれます。

私はなかなかそこまで、生徒の意見に合わせて授業実践はできませんが💦

ジャムボード・・・グループで意見をまとめる
スライド・・・個人で作業をする

と私的には使い分けて、授業を行っています。個人に配布する際は「枠」を用意して、クラスルームで「課題」として投稿、「各生徒にコピーを作成」にすると1人1枚行きわたります。

第1章 世界各地の人々の生活と環境

まとめの活動「世界一周旅行を企画しよう」

教科書の流れにそって作っています。

①訪問する国は4か国以上で、各気候帯(寒帯、冷帯、温帯・・・)から違う4つを選択。
②各国に滞在する期間は1か月。
③各国で食べられるもの、体験できることをまとめる。
④各国の訪問月の気候を知らべ、適切な服装などをアドバイスできるようにする。

少し生徒が作るのには時間がかかりますが、楽しそうに学んでくれます☺

個人が完成したら「社会」のクラスルームに共有をかけた状態で投稿します。

すると、スライドの各ページに「コメント」を付けることができるので、皆で見合いながらSNSのような感覚でコメントを付けていきます(笑)

中には適切でないコメントをしてしまう生徒もいるので、事前に「適切なメッセージ」といった情報モラル的なことを指導しておくと良いと思います。

歴史 第2節 「ユーラシアの動きと武士の政治の展開」

戦国武将についてです。全く調べる必要はないんですが、とあるクラスの生徒が「自分の好きな戦国武将を調べたいです!」と言い始めめたのでスタートしました(笑)

これはあくまで私が作った(例)です。生徒たちには教科書に載っている「上杉謙信」「毛利元就」「武田信玄」「島津貴久」「今川義元」といった戦国大名を調べるように指示します。

クラスルームに投稿して見合うのがめんどくさい!という場合は1つのスライドの各ページを、出席番号順に割り振り、自分のページとして作成する、という方法も考えられます。

簡単にみんなで見合うことができます。が、経験上、誰かが間違えて消してしまったり、余計なトラブルを生んでしまったりするもとにならないとも限らないので、個人に配布が間違いないです。

ICTはI(いつも)T(ちょっと)T(トラブル)の略だと教えてもらったことがありますが、余計な手間を生んでしまうこともあるので、あくまでトライアンドエラーです✨

私含めて私の学校で注意している事です。

  1. 調べ学習の際は「タブレット」だけを根拠、資料にしない
    インターネットの調べ学習は全ての生徒にとって有効ではありません。膨大なインターネット資料の中から情報を取捨選択しなければならないからです。よく小難しいPDFファイルを見ながらフリーズしている生徒も見かけます💦
    生徒の実態に合わせて使用し、タブレットのみの調べ学習にならないように、教科書か資料を用意し、全ての生徒が向かえる授業づくりをしていきたいですね!
  2. 「タブレット」と「ノート」の使い分けについて
    ICTを活用すると気になるのが「タブレット」と「ノート」の使い分け。机の上に教科書、資料集、タブレット、ノート、筆記用具が出ているとパンパンですよね(笑)
    あくまで私の考えですが、この単元のこういった授業は「タブレットのみ」でノートを使わない、と生徒とも共通理解しておくと楽かなと思ってます。例えば、「地理 日本の諸地域の学習」で中部地方や近畿地方、各地域を見ていく際に、農業や工業については「タブレット」を用いてノートは使わない、といった具合です。
    ノートをとらないと、テスト前の勉強が心配・・・という生徒もいると思いますが、そこまで心配する生徒がいればデータを印刷してあげましょう。このICT派、ノート派問題はハイブリッド式か、生徒の実態によって変わりそうですね。
  3. タブレットで集中力を切らしてしまう生徒
    一定数いるタブレットが大好きな生徒。学校で明確にPC使用に関するルールが定まっていないと、授業中や調べ学習中に関係ないことで遊んでしまう生徒さんがいらっしゃいます・・・。
    担任なら学校・学級で明確なルール作りを。教科担任なら「授業中の使い方はこう!」という説明を最初にしておきたいですね✨
    生徒のPC好きはすさまじいですから。私の学校でも残念なことにスイカゲームが大はやりしてます・・・。後から「ダメ!」とい指導ではなく、事前に「こういう使い方をしましょう」と手を打っておきたかったです!

ジャムボード
フォーム
スライド

の実践事例をいくつか紹介させていただきました。違うものを使っていても参考になる部分があれば幸いです。

また、以前から「kahoot!カフート」や「ロイロノート」の実践を良く耳にします。最近、ようやくうちの自治体が使用しているタブレットでも「ロイロノート」が使えるようになりましたが、まだろくに触れていません💦

結局いつまでも新しものを触ってみよう、理解してみようとする気持ちが大事なんだな~としみじみ思っています(笑)

ホワイトボードにまとめた字って小さくて見えないので、写真で撮ってTVに移すだけでもICT活用かなと個人的には考えています。

ICTの使用は一見準備が面倒くさそうに見えますが、少しの手間で生徒のやる気が引き出せたり、結果的に楽であったりします。最初の第一歩が大変に感じますが、ぜひ一度取り組んでもらいたいです

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