「先生の異動はどうやって決める?」岐阜県中学校教師が伝える先生の人事について。

教員として働いて👈

先生の異動はなぜ起こるか

3月、卒業式も近づき別れの時期がやってきますが、それは生徒だけの話ではありません。

多くの人に経験があるように、先生たちにも「異動」があり、どれだけ学校に愛着のあるベテランの先生でも新天地に向かわなければなりません。

一体、なぜ先生たちは異動するのでしょうか?

女子中学生
女子中学生

ずっと同じ学校にいたほうが楽じゃないかな?

校舎や設備を覚えるのも一苦労。

先生の異動の仕組み①

組織都合で異動するケース

最近は知っている生徒も多いのですが、代表的なものに年数に応じた異動があります。〇年目の先生は異動しなければいけないってルールです。

県によって違う場合が多いのであくまで岐阜県版の参考程度です。

初任の先生たちの場合

近場での地方配置 3年間
遠くの地方の配置 3年間
3年おきに小・中学校両方を経験する場合が多い。

というルールがあります。若くて家庭を持っていない比較的な自由な時期に、近場、遠く両方の地域で経験を積ませます。

岐阜県でいうと東濃、西濃、岐阜、飛騨、加茂地区など本拠地とする家庭がある地区で3年、そうでない離れた地区で3年の経験を積みます。

そうすることで、自分の生まれた地区だけでなく、他地区の教育方針や働き方を学ぶことができるからです。かくいう私も初任の3年間は遠く離れた地にアパートを借りて生活していました。

小学校・中学校の両方を経験するケースが多い。

これもまた、一般的にはですが小・中学校の両方を経験するケースが多いです。その目的は

義務教育期間の子どもたちの9年間を知ることで、先を見通した指導ができるこです。

中学校の生徒の授業や指導したことがある先生であれば、小学校の児童に対して、これから中学生になる児童にどのような指導を行うべきかより明確になる、ということです。

小・中学校の両方を経験しないケース。

岐阜県の先生が全員、小中学校を経験しているかというと実はそうではありません。

①免許を小・中学校のどちらかしかもっていない。

この場合、中学校の免許しかもっていなければ当然小学校に行かされることはありません。しかし、働き始めてから「小学校の免許も取ってくれ」と言われるケースや両方免許をもっているほうが教員採用試験に通りやすい、なんてこともあります。

※採用試験のことは当時の大学の先生が言ってましたが真偽のほどは分かりませんm(__)m

②異動の校長先生との面談でごり押しする。

私の身近な先生が言っていたことです。その先生は小学校で教務を経験するベテランの先生なのですが面談で「中学校に移動するなら教員を辞める」と校長先生に伝えるそう。その結果、長い教員人生で小学校しか経験したことがないそうです。

男子中学生
男子中学生

ベテランの先生は最大で7年目に

移動するケースが多いよ。

先生の異動の仕組み②

個人的な事情で異動するケース

結婚を機に移動する場合

教員の異動にとって「結婚」というのは強いカードです。結婚して家庭をもつため、本拠地を移るため異動をしたい、という要望が通りやすいです。

また、遠くの地方に飛ばされそうな場合でも、「結婚」するため○○から通える地区にしてくださいという要望も通ります。私の奥さんもこれで何とかなりました(笑)

中学教師
中学教師

私自身も結婚を機に3年の遠い配置を終えて

地元に帰ってきました。

講師で異動する場合

学校の先生には大きく分けると、正規採用の「教諭」と非正規採用の「講師」の先生がいます。この講師の先生は1年おきで採用任期が途切れるため、異動の対象になりやすいです。

また、この講師の先生が夏にある「教員採用試験」に合格するとほぼ間違いなく異動になるため、講師の先生は短い期間で異動しがちです。ただ、超ベテラン講師として何年も同じ学校に在籍する先生も見たことがあるので、結局人それぞれなパターンもありそうです。

退職する場合

転職する、独立する、県外を引っ越しをするといった理由で、その県の教員を退職する場合、その年でその学校とは離れることになります。

我が子が自分の学校にやってくる

これも良くあります。学校の先生だって自分の家から通える距離の学校に勤務しているので、自分の勤めている学校に我が子が新入生としてやってくる場合があります。どの生徒・児童にも平等に接するために、その先生は違う学校へ異動となります。

いつ・誰が異動を決めてるの?

異動の面談が始めるのは、夏休みごろからが多いです。

校長先生との面談で聞かれる内容

①結婚する、子どもができる予定があるか。(特に産休や育休に入る場合の多い女性の先生)

②次の異動先は小学校・中学校どちらが良いか。

ざっくりこれだけです。中学校であれば、○○中の美術の先生が今年は異動の年だから、美術科のあの先生は〇〇中にいきそう、といった予想がたてられる程度です。

それからしばらく、3月ごろまでは音沙汰なしで具体的な異動先は本人には伝えられません。情報の流出を防ぐためです。

ただし、遠くの地方に飛ばされる先生に関しては3月に地方を教えられていては引っ越しが間に合わない、住居が探せない場合があるので「地方」だけ先に伝えられます。

まとめ

各学校において、教育効果が高まり、調和的かつ効率的な学校運営が行われるよう、適材適所の人事を推進し、職員構成の適正化に努める。

令和3年度末及び令和4年度公立学校職員人事異動方針

岐阜県の異動方針は見当たらなかったので千葉県のものですが。教育委員会も「適材適所」の人事を目指して異動配置を行うわけです。

仲の良かった残ってほしい先生、頼りになった先生、怖かった顧問の先生、いろんな先生がいますがどの先生もいずれは新たな土地で自己研鑽するために異動をします。

寂しさもありますが、先生だってずっと同じ場所に留まってはいけないのです。そして、また新しい先生が学校にやってくることで、児童・生徒も新たな刺激を受けます。

互いに人間なのでその出会いの良し悪しはもちろんありますが、そうやって児童・生徒も教員も成長していくのだと思います。もちろん先生の身からすれば、落ち着いた家から近い学校で、ぬくとぬくとしたい気持ちはやまやまですが(笑)

今年の4月もまた様々な地で、様々な出会いがあります。楽しみにしていましょう!

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