「中学校では部活に入る?」部活のメリット、デメリットとクラブ化の現状

教員として働いて👈
中学教師
中学教師

こんにちわ。田舎住まいの30代教師です。

今回は「部活動」についてです。

女子中学生
女子中学生

部活は入っても入らなくても

良いって聞いたけど、そうなの?

男子中学生
男子中学生

どっちでも良いなら入らないけど。

でも友達は入るって言うから悩むなぁ。

今後「部活動」がどう変わっていくか知りたい方。
今の「部活動」の実態を知りたい方。
部活動に入るべきか、もしくはこのまま続けるべきか悩んでいる方

は、ご一読ください。何か少しでも参考になることがあれば幸いです☺

学校の運動部活動は、体力や技能の向上を図る目的以外にも、異年齢との交流の中で、生徒同士や生徒と教師等との好ましい人間関係の構築を図ったり、学習意欲の向上自己肯定感、責任感、連帯感の涵養(かんよう)に資するなど、生徒の多様な場として教育的意義が大きい。

運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン(H30 スポーツ庁)
https://www.mext.go.jp/sports/content/20210421-spt_sseisaku02-000013004_1.pptx

簡単に言うと

・体力や技能の向上
・好ましい人間関係の構築
・学習意欲の向上
・自己肯定感、責任感、連帯感を養いたい

ということです。

部活動の地域移行、クラブ化についての現状

 スポーツ庁は2022年4月26日、「運動部活動の地域移行に関する検討会議」を開きました。そこでは段階的に公立中学校の部活動を地域に移行していく計画を立て、その達成目標は2025年(令和7年度末)としました。ここで言う地域移行の内容としては、


生徒が「部活動」ではなく「地域スポーツクラブ」に移行すること
外部指導者が部活を指導すること
教員が「兼職兼業」として報酬を得て指導すること
・自治体が運営団体となる地域クラブ活動において指導する場合
・多様な組織・団体等※が運営・実施する地域クラブ活動において指導する場合
・ボランティアとして指導する場合 などの形態が存在。

公立学校の教師等が地域クラブ活動に従事する場合の兼職兼業について(手引き) (mext.go.jp)

令和7年度を境に「部活動」というのは姿を消し、「クラブ活動」に代わるかもしれません。
今は「働き方改革」のご時世ですから。

ご存じかと思いますが、クラブ化に伴い、現在の多くの中学校の部活動は「任意加入制」になっています。


体力や技能の向上

運動部⚽の練習であればアップで軽く1、2㎞走ります。年末年始もお盆もクリスマスも関係なく走ります…。部活動をやっている生徒とやってない生徒の差は環境的にだいぶ開きます

中学校の「体育」には、おそらくどこも持久走があります。やっぱり運動部は早いですね✨

「運動部」だから負けられない、というプライドもあるかもしれません。ですが、やっぱり走り慣れている、体力が付いているというのは大きいです☺

サッカーで言えば、中学校ルール前半30分後半30分走りっぱなしですし。

足をつりながら、暑くても寒くても走るのは根性がいります(笑)

サッカー、野球、テニス、バスケ、バレー今は生涯スポーツなんて言われますね。

私自身もそうですが、部活動でできる人間関係は一生ものだと思ってます。今の生徒たちを見てても全員が全員という訳ではもちろんないですが、良い関係ができてます。

まず、基本的に部内の仲間関係は良くなります。同じチームで監督にしごかれて同じ目標に向かって頑張る仲間ですからね。
(もちろん、関係を築けない子だっています)

同じ部活動の仲間で勉強をしたり、ご飯を食べたり。せっかくの同学年の仲間なのでそれ以上の関係を築けるのが良いところですね☺

一概に全員が、とは言えませんが(笑)

部活を一生懸命に行う生徒は日常生活や勉強も頑張る風潮があるかなと思います。

「凡事徹底」という言葉がありますが、どんな些細なことも大切にできる選手がスポーツでも成功できる、という精神が日本スポーツには宿っていると思います。

あと、適度に運動する生徒のほうが伸びがある、というのもあります。体を動かして、勉強して、というサイクルはきっと理想出来です。

最近の子どもは自己肯定感が低い、なんて言われもします。そんな中で自分の好きなスポーツで活躍できるというのは自身に繋がります。

学校生活の中ではどうしても周りの生徒との競争があり、「テストの点数が低い「あの子より背が低い」「あの子のほうがおもしろい」と比較してしまいがちです。

・「部活」のチームで良い成績をとった。
・負けてしまったけど、活躍できた。
・チームメイトに認められた。

という経験が自分を支えるものにきっとなりますよ✨

チームスポーツであれば、自分の「役割」は非常に重要ですし、どれも大事な要素です☺

私もよく所属クラブの公式戦を見に行くのですが、保護者、指導者、生徒全員が「勝つ」という同じ目標に向けて手を取り合います。

勝ち上がって地区大会優勝や県大会に進めた時には、それはもう大きな喜びに包まれます。

少子化の影響もあり、どこも人の取り合いです。特にスポーツで活躍できる地元の生徒というのは高校などにとっても貴重な存在です。

高校の推薦で声がかかり、そのまま高校→大学と人生を左右することさえあります

大げさに聞こえるかもしれませんが、部活動で地区大会優勝、県大会くらいまでいけると見ている人はよく気付いて声をかけてくれますよ👍

私が⚽指導者をしているので。サッカーで例を挙げると必要なものは

・スパイク
・ソックス
・すねあて
・練習着
・冬用のベンチコート
・遠征における交通費

といったところでしょうか。スパイクなんかはピンキリですが年1くらいは買い替えのイメージです。

どれも消耗品ですからね。

熱心なスポーツ出れば土曜日は公式戦、日曜は練習なんてこともざらでしょう。

男子中学生
男子中学生

あれ、ゲームをする時間は・・・?

「ない」なんてことはありません。時間の使い方、作り方はその人次第ですからね(笑)

少なくとも部活をやっていない生徒と比べると、平日のナイターなんかも含めて「時間がないなぁ」と感じることは増えるでしょう。

「負担」と捉えるかどうかも人次第だと思いますが。遠征であれば、送迎が必要です。

また、負担を軽減するために当番を決めて活動を行ったりするので、同じ部活動の保護者同士で協力が必要です。

上記の買い出しのお金もそうですし、買いにいくこと自体も手間と言えば手間です。

子どもと接する時間が増える、と前向きな捉え方もありますが…(笑)

 こうした地域移行の流れができたのには、これまでの「部活動」自体の問題があります。というのも、部活動は本来、子どもの運動能力の向上、自主性の向上、連帯感や責任感の向上といった様々な力の育成を目指して行われていたはずです。部活が簡単に廃止されないのもこれらの目的のために部活が行われるのが有意義なことだからです。

しかし、教員という職業の中に部活指導を含むとどうでしょうか。すると昨今騒がれている様々な問題が見えてきます。

先生の放課後の時間が削られる
放課後の部活は17:00頃まであるケースが多いです。この時点で勤務時間16:45を過ぎているので不思議です。

土日の遠征や審判
中学生の部活チームの場合は「先生」が審判をしなければ人が足りません。毎年の審判代を更新したり、審判で走ったりするのも一苦労です。

結果的に自分の時間、家族の時間を犠牲にする
私の友人にも部活の保護者に連絡先を教えたところ、ひっきりなしに連絡がきて精神疾患に陥ってしまった人もいます。平日の帰りが遅くなり、土日両方外出することになってしまえば、当然先生たちの「時間」は奪われていきます。

 まさに廃止に向かう第一歩が「部活動任意加入」な訳ですが、実際私の知っている範囲では、ほとんどの生徒が部活動に参加しており、「クラブ活動に専念したい」生徒は部活動未所属の状態です。

なので、現状部活動はまだまだ行われており、大多数の生徒は「○○部」に所属しています。完全に「クラブ化」して部活動が廃止になるにはまだ時間がかかりそうです。

私自身が中学校の頃と比べて朝部活が無くなったり、放課後の部活動の時間がかなり短くなったり、「部活動」廃止に向けてだいぶ動きができているなぁと感じます。

男子中学生
男子中学生

部活は任意って先生に聞いたけど、

入ったほうが良いのかな?

クラブ活動に専念したい、のであれば部活動に加入する必要はないと思います。

ただ、クラブ活動が週2の場合、残りの週3は自分で時間の使い方を決める必要があります。

部活動で走ったりするので、環境的に追い込みたい人は
クラブ活動+部活動、という状態でも良いかと思います。

「同じ学校」という意識が部活動参加を促しており、私の学校ではほとんどの生徒が部活動に参加しています。クラブチームに所属していても、同じ学校にそのクラブチームの仲間がいなければ寂しい思いをするかもしれません。

ちなみに私の受け持つ中学サッカー部には、違うクラブに所属する生徒が集まっています。
(「サッカー部」の中に違うサッカークラブに所属する生徒が集まっている状況)
良い面:違うクラブに参加する生徒が部活に集うことで、異なった練習方法や技術を共有できる。
課題点:1つのチームではないので、ポジション等の競争意識はなくゆるみがち。
    チームとして作戦を立てる、セットプレーなどの練習はできない。
    技術面、体力面のトレーニングになりがち。

    


 部活の活動としてはこんなイメージです。ただ学校行事等にも「部活」のくくりが残っています。例えば体育祭の部活動対抗リレーなんかがそうですね。体育祭の盛り上がる鉄板種目ですが、任意化によって寂しい思いをしている生徒もいます。

また、体育祭の係を「部活動」によって分けることもあるので、そういった辺りの「学校の改革」も同時に進めなければいけないと感じています。

 

中学教師
中学教師

最後の判断は友達に合わせる出なく
「自分」で。

部活動のメリット
・体力や技能の向上
・好ましい人間関係の構築
・学習意欲の向上
・自己肯定感、責任感、連帯感を養う
・将来・進路に繋がる

部活動のデメリット
・費用がかかる
・時間が制限される
・保護者の負担
・教職員の負担

良し悪しがあるので、人によって入ったほうがプラスになるのかどうかは分かりません。

自分で判断して、その判断が正解になるように精一杯取り組むしかないと思います。

精一杯取り組むことはきっと何かに繋がっていくはずです✨

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