中学部活動は令和7年度まで? 部活の地域移行と兼職兼業申請する教職員の関わり方。

教員として働いて👈
30代中学教師
30代中学教師

こんにちわ!田舎住まいの30代教師です。

読んで頂きありがとうございます。
部活と地域クラブについてです。

女子中学生
女子中学生

「中学校の先生」って魅力的な職業だけど

土日も部活があるのかな?

 部活は今後なくなるのか?
「地域クラブ化」って今どれくらい進んでるか?
「部活」が無くなれば、先生はもう部活動には関わらなくて良いか?

といった点について、私は「兼職兼業申請」を行い、本業の教職も行いながら、地域クラブのサッカー活動に携わっているので考えていることをお伝えしたいです☺

そもそもの部活動の意義

男子中学生
男子中学生

部活ってなんでやるん?

早く帰ってゲームしたい。

学校の運動部活動は、体力や技能の向上を図る目的以外にも、異年齢との交流の中で、生徒同士や生徒と教師等との好ましい人間関係の構築を図ったり、学習意欲の向上自己肯定感、責任感、連帯感の涵養(かんよう)に資するなど、生徒の多様な場として教育的意義が大きい。

運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン(H30 スポーツ庁)
https://www.mext.go.jp/sports/content/20210421-spt_sseisaku02-000013004_1.pptx

簡単に言うと

・体力や技能の向上
・好ましい人間関係の構築
・学習意欲の向上
・自己肯定感、責任感、連帯感を養いたい

ということです。

体力や技能の向上

運動部⚽の練習であればアップで軽く1、2㎞走ります。年末年始もお盆もクリスマスも関係なく走ります…。

部活動をやっている生徒とやってない生徒の差は環境的にだいぶ開きます

好ましい人間関係の構築

私自身もそうですが、部活動でできる人間関係は一生ものだと思ってます。今の生徒たちを見てても全員が全員という訳ではもちろんないですが、良い関係ができてます。

部活動を通じて教員と生徒の関係は… まぁ よくなってますかね…?(笑)

学習意欲の向上

一概に全員の生徒が… という訳ではないですが一理はありますよね。部活を一生懸命に行う生徒は日常生活や勉強も頑張る風潮があるかなと思います。

当然部活を頑張るけど勉強は…って子もいますが。

自己肯定感、責任感、連帯感を養いたい

勉強ができない、自己肯定感の低い生徒も「運動ができる」「部活で活躍している」ことでいきいきする場合はありますね✨

チームスポーツであれば、自分の「役割」は非常に重要ですし、確かにどれも大事な要素です☺

私もよく所属クラブの公式戦を見に行くのですが、保護者、指導者、生徒全員が「勝つ」という同じ目標に向けて手を取り合います。

勝ち上がって地区大会優勝や県大会に進めた時には、それはもう大きな喜びに包まれます。

「やりがい搾取」なんて言葉もありますが、頑張っている生徒を見ていると確かにやりがいも感じます。

審判で走るのも、良い運動不足の解消になりますよ(笑)

部活動の課題点

「中学校教諭の勤務時間の内訳」

引用:リベルタス・コンサルティング(2018)「公立小学校・中学校等教員勤務実態調査研究」報告書、61頁

平日でも土日でも長時間拘束されていることが分かります。

また、やはり基本的に仕事をしない「休日」にも平均3時間以上時間をとられています。

ただ、実際朝8~10時までの3時間の活動だとすると

 7:30~ 部活動場所に出勤
 7:45~ 生徒より早く来て会場。
 8:00~ 10:00 実際に活動
10:00~ 帰宅していく生徒を見守る
10:30  活動終了   

なので実際の活動時間+1時間は移動やその他の時間にも用いられています。

さらに言えば、明日の朝8:00から部活です!という状況だと金曜の夜に深酒できません(笑)🍺

ある意味健康的な生活リズムが教員も保たれると言えばそうですが、心理的な負担はありますよね。

教職員の大会運営について

私も市内の大会を一度運営しましたが、審判の割り振り、規約、各先生方への諸連絡、昼食、備品について、などそれはまぁ業務盛沢山でした。

中体連なんかも今までの積み重ねがあるので、部活が無くなるとこれからどうなっていくのか…?

大会中の審判もなかなか大変です。やはり各指導者や保護者も熱が入るので大会になると審判に対してのクレームも入ります。

審判の免許を取るのもお金💰が必要です。免許の更新にだって💰が必要です。

生徒の活動環境の確保と教員の働き方改革問題はすごく難しいバランスです💦

部活動とクラブ化に関わる全国的な流れ

「運動部活動の地域移行に関する検討会議」によると、部活動の地域移行完了目標は2025年(令和7年度末)です。✨

ここでいう地域移行とは…

生徒が「部活動」ではなく「地域スポーツクラブ」に移行するこ
外部指導者が部活を指導すること
教員が「兼職兼業」として報酬を得て指導するこ

なので令和7年度には、「部活動」は無くなる、ということですね。

男子中学生
男子中学生

令和7年度に?無理じゃない?

もう令和6年度になろうとしているので雲行きは怪しいですが実際に私の周りでも変化は見られます。

最近の一番大きな変化

「部活動の任意加入制」
週2回以上の運動活動もしくは、芸術活動をしていれば、「部活」に加入しなくともよい。

ではないでしょうか。私の学校や周りでも行われています。

 成果

実際に地域クラブに参加することで、部活に加入しない生徒が増えてきた。(各クラスに4~5人参加していない子がいるイメージ)

 課題

まだ「部活は入るもの」という認識が強い。(仲間関係もあって)
同じ「⚽競技者」であっても、チームが違えば校内での友好関係が育まれにくい
(生徒同士の問題でもありますが、環境的に育まれにくい状態になりますね)
体育祭等に「部活対抗リレー」など部活単位の動きがある。

だんだんと部活を廃止にしようという前向きな動きは感じます、もしかすると、これから教員を志し、中学校の先生になる人の頃には「部活」はないかもしれません✨

現に私の学校でも部活によっては、「もうクラブ化してるから土日は休みです」って先生も増えています。部活によって、先生の意思によってですが💦

補足ですが、クラブ活動にコーチが指導に来る場合は、教員でない「コーチ」も中にはいます。

この間、生徒と保護者、コーチが揉めたから教員が間に入ってくれ、なんて話もありました。

まだまだ、この部活、地域クラブ化問題は続きそうです。

実際に地域クラブの活動に参加しながら感じること

私が顧問を受けもつ「サッカー部⚽」は人数が11人以下になってしまい、他行と合同チームになりました。

その合同チームを母体に、市内からも参加者を募り、「市のサッカーチーム」として保護者が運営を行う地域クラブへと移行しました。

地域クラブ 「サッカーチーム⚽」
チームの運営方針
○○市の近隣生徒のサッカーを行う環境を提供し、よい指導や選手によい刺激を与え、〇〇市のサッカーを発展させること。サッカーを通して、主体的な生徒を育成しよりよいひとりだちをさせることを目的とする。
平日 週2回 
土日 TR(トレーニング) TRM(練習試合) 公式戦 遠征 
指導者 現在7名ほど (内教職員6名、社会人指導者1名)
公式戦審判 教職員+保護者
会計や運営 欠席連絡などは保護者で役割分担

地域クラブを作るにあたって、必要となったのが地域に向けた「説明会」です。

市内を対象とする「クラブ」はすでに私たちの市にはあったので、「地域クラブ」といえどある程度、人の奪い合いになります。

もちろん、どこに所属するか判断するのは生徒の問題ですが。

地域クラブのメリット

・校内だけでは人数が集まらない部活も、市内で「中体連」を目指す部活動(クラブ活動)として活動可能。

・市内から人を集めるクラブ活動なので、教職員を中心に学校の垣根を越えて、指導者が集まる。

・もちろん、教職員だけでなく一般で働く方も指導者として参加可能。

・多くの指導者が集まるのでより専門的な指導が可能。

・また、練習や遠征、試合においてもコーチで役割分担ができるので、1人の顧問よりも家族や自分の時間を大切にする時間を作ることができる。

・指導者も他の指導者の指導を見ながら学ぶことができる。

・欠席連絡や会計業務を保護者が行うので、指導者は「指導」に集中することができる。

地域クラブのデメリット

・地域クラブに入るか否かは生徒たちの判断に委ねられる。魅力がなければ人は集まらない。

・気軽にサッカーがしたい、「部活」にだけ入りたい生徒の公式試合等の機会減少。

・1人の指導者、校内のチームではないので、チームの目標や指導方針について入念な共有が必要である。

結局人が集まらなければ、チームを存続することができません。

そのためには「魅力を発信」しチームを認知してもらい、参加してもらう必要があります。

今の所属チームは今年の活動の様子をInstagramにあげて紹介しています。

また、体験会や練習に参加できるチケットの販売も行ってます。もちろん、このお金はチームの運営費です(笑)

今後の教職員と地域クラブの関わり方

「部活」が無くなって、「地域クラブ化」すればだいぶ業務は軽減されると思います。

多少は生徒と地域クラブの仲介役になることはあれど、放課後や土日の部活動がなくなることは、先生にとってもだいぶありがたいことですね。

地域クラブに関わる先生の業務
・部活動ではないので「兼職兼業申請」を行い、クラブの練習に参加する。
・地域クラブの指導者が複数人いれば、役割交代で練習に参加する。
(私の場合、平日練習には参加せず土日の練習、試合に参加。もしくは公式戦の審判)
・教職員が指導者の場合、練習計画等は指導者の都合もつけつつ予定する。
・昼食代、交通費は支払われる。(車は乗り合わせるなど節約は必要)
・もちろん、指導者として賃金も発生。
地域クラブには関わらない先生の業務
・なし

なんていう日も近いのかもしれません☺

ちなみに今私は昼食代やガソリン代はもらっていますが、練習自体にも指導料が出るのかな…?

兼職兼業申請を行ったのは今年が初めてなのでまだ分かりませんが期待しています(笑)

まとめ

今はどこも少子化で子どもは減る一方だと思います。

なかなか1つの学校でサッカー、野球、一チーム+控えまで余裕です。という学校のほうが少ないのではないでしょうか?

この少子化、教員の働き方の問題に合わせて「部活」を「地域クラブ」に移行するメリットはとても大きいと感じます

地域クラブに移行するにあたり、各学校の伝統ややり方。または、小学校からの地域がらみの習い事など、多くのしがらみがあると思います。そこは大変なポイントですが令和7年度、期待が高まります☺

一番大切だと思うのは、サッカーを頑張りたい、野球を頑張りたいと思っている生徒が活動に打ち込めることです。

「人が少ないから・・・」「先生が顧問するのは大変だから」という理由で活動ができないのは残念です。

これからの時代を生きる生徒のために「環境」を提供してあげたいですね👍

まとめ
・中学校生徒がスポーツ活動に打ち込むのは、技術・体力の向上や仲間関係の構築があり素晴らしい。
・しかし、その指導が教員であると本来の業務に差し支えるほど、労働時間が長引き疲弊する。
・地域クラブ化することで、外部の指導者や多くの教職員で負担を分散し、活動を継続する。
・現在ある組織を変えるのは難しいが、教員の働き方が変わっていく。

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